卒業 ―ずっと、一緒だよ―
私たちは、逃げ出した。

裏庭からの抜け道を通り、誰にも見つからないように。

そして、桜並木の長い下り坂を、一気に駆け下りた。

「…いい? 理緒。」

息の上がった阿美が、話しかけてきた。

「今夜のことは、絶対に秘密。」

あたしたちは何もしなかった。
何も、起こらなかった。

――そういうことにしな。
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