卒業 ―ずっと、一緒だよ―
私たちは、莉絵のお葬式に参列した。

抱き合って泣いている子たちもいた。
莉絵と、全然仲良くしてなかったのに。

花を供えるために、私は祭壇に歩み寄った。

棺の中に横たわる莉絵。

白い布の下の顔を、見ることはできなかった。
顔から落ちて、ひどい状態だから、と。

…私は、莉絵の遺影を見た。

制服を着て、にっこり微笑む莉絵。
私は初めて、莉絵がきれいな顔をしていたことに気づいた。

もう外されることのない包帯が、厚く巻かれた頭部。

そのきれいな顔が、どんなになったのだろう。
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