卒業 ―ずっと、一緒だよ―
足音と、おしゃべりの声が近づく。

他のクラスの委員たちだろう…私は、先生の目を盗んで、莉絵との写真をカバンに隠した。
誰にも思い出されたくなかった…あのことは。

「――失礼しまーす!」

生徒会室の扉が開けられる。

「あ、理緒、もう来てたんだ。」
「ずるいよ、先に見て。 ね、貸してよ。」

そして、私の手から、写真の束を取り上げた。

「あっ!ちょっと~!
私、こんなとこ撮られてるって~!」
「やだ、カメラマン油断できないね~。」

…なんて、二人でさっそく笑いあう。

他の委員が来るまで、おしゃべりは続いた。
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