運命‐サダメ‐
おばさんの言葉で、私が当時知らなかったことは証明された。
あとは、現在のことがバレないようにすればいい。
「そうですか……」
刑事は、あからさまに落胆した表情を見せた。
知らないと言ったものの、なぜ彼の名前か出て来たのか気になった。
婚約者だからと言って、1番最初に名前が出てくるとは思わなかった。
「その、千夏姉の婚約者がどうかしたんですか?」
そう聞く私の目を、刑事はまたじっと見る。