運命‐サダメ‐
だけど、何も言い返せない。
口が塞がれているせいもあるけど、どう答えていいのか分からない。
「本当のことを言わないと、襲うよ?」
彼が何を言っているのか、理解が出来なかった。
理解出来ないうちに、口を塞いでいた手が離れ、肩を掴む。
そして、私の首筋に冷たいものが這う。
「んっ……!」
急なことで、思わず声が漏れてしまう。
背中からぞくぞくしてくる。
その正体が彼の舌だと分かってからも、這い続け、止まりそうにない。