運命‐サダメ‐
それで、ようやく理解した。
彼は、本気で襲うつもりだと言うことを。
片手はお腹に回しているから、首筋を這う舌から逃げられなかった。
逃げ場を失った私は、頷くしかなかった。
「やっぱりな。
目が合ったもんな」
首筋を這うのはやめてくれたけど、耳元で囁かれて、それに声が漏れそうになった。
気付かれていたんだ。
目が合ったんだもん。
当たり前だよね。
だけど、それが何だと言うのだろうか。