運命‐サダメ‐
隣にいたお世話になった刑事が、銃を構えている刑事に言う。
相手の肩に手を置いて、優しく言っている。
なのに、おろさない。
手が固まってしまっているのか、一点に集中したまま動かない。
私たちに照準を合わせたまま、微動だにしなかった。
そんな刑事を見つめたままの私に、彼は耳元で呟いた。
「ごめんな、こんなことに巻き込んで。
でも、もう終わるから」
そう言って、掴んでいた私の手を離した。
そして、彼は走り出した。
その瞬間、パァンと大きな音が響いた。