運命‐サダメ‐
* * * * *
「この状態では、本人も子供も危険です」
そう、医師に告げられた。
「えっ、子供!?」
危険だと言うことは分かっていた。
だけど、何より子供と言う言葉には驚いた。
あたしもお母さんも、千紗姉からそんなことは一言も聞いていない。
「はい。
患者さんのお腹には赤ちゃんがいます」
驚いたことではあるけど、父親が誰かなんて、すぐに分かった。
ありえるのは、1人しかいないから。