運命‐サダメ‐
本当に、危ない状態だったみたいで、医師たちは忙しなく動き回っていた。
そんな中、あたしもお母さんも病院から出ることなく、その様子を見守っていた。
絶対、生きて戻ると信じながら……。
「千紗さんも、お腹の赤ちゃんも無事です」
それは、倒れて一週間が経った時だった。
ようやくあたしたちも安心して、笑顔が出た。
あとは、千紗姉が自然と目覚めるのを待つだけだった。
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