運命‐サダメ‐



こんな場所に、何の用があって来たのか。



こうやってカップルだらけの中を2人で歩いていたら、私たちもカップルに見えるのかな。



そんなことを考えていると、何の前触れもなく、彼が手を握って来た。




「ちょっ」



「静かにして。
普通にしてて」




手を離そうとする私に、彼が耳元でそう囁いた。


その行為に、私の熱は一気に上がった。



だけど、普通ってどういうことだろう。


周りと比べて、浮かないようにカップルみたいにしてろってことだろうか。




< 33 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop