運命‐サダメ‐



おじさんたちグループを、目を細めながらじっと見る。


周りのカップルと比べると目立たない場所にいるけど、それがかえって目立つような気がした。


そして、女性は心から笑っているのに対し、おじさんの目は氷のように冷たい。


女性たちは、それに気付いていないみたいだった。




「よく見ているじゃん」




クスッと笑う彼に、いちいち反応してしまう。




「それにしても、よく話すようになったな」



「どうやっても逃れられませんから。
開き直ったんです」




< 36 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop