運命‐サダメ‐
おじさんたちグループを、目を細めながらじっと見る。
周りのカップルと比べると目立たない場所にいるけど、それがかえって目立つような気がした。
そして、女性は心から笑っているのに対し、おじさんの目は氷のように冷たい。
女性たちは、それに気付いていないみたいだった。
「よく見ているじゃん」
クスッと笑う彼に、いちいち反応してしまう。
「それにしても、よく話すようになったな」
「どうやっても逃れられませんから。
開き直ったんです」