運命‐サダメ‐
こうやって話している間も、ずっと手は握られたままだ。
そして、体も近い。
ドキドキしているのが聞こえてしまいそうなくらい。
そんな状況では、どうやっても逃げられない。
黙っていたところで、解放してもらえるわけもない。
私の命は、彼が握ってしまった。
「開き直りか。
それは、いいことだな。
そうそう、千紗はオレの恋人だからな」
「は?」
突然言われた言葉に、ぽかんとする。
頭の中で繰り返して、確認する。