運命‐サダメ‐
私の表情の変化に気付いたように言う。
やっぱりそんなんだと、確信に変わった。
「安心しな。
何もやらせない。
見ているだけでいいから」
そう言って彼は、私を木の陰に隠した。
そして自分は、ウィッグとサングラスで変装した。
それから、1人だけ離れていた女性に近づいて、何かを渡した。
女性は笑顔でおじさんの所へ戻って行った。
その時、初めてはっきりと見たおじさんの顔。
物陰ではなく、普通にライトの下にいた。