運命‐サダメ‐
でもそんなことより、私は知りたかったんだ。
なぜ彼は、自分の手を血に染めるようなことをしたのか。
なぜ、あの人を殺さなければいけなかったのか。
それを知るのは、怖い気もする。
私の記憶も、また引き出されると思う。
それでも、知りたかった。
彼の、本当の心のあり場所を。
それを知ってどうするかなんて考えていない。
そのあとは、本能で動くのみ。
おそらく私は、自分から彼を突き放すことはしない。
体が、そう言っているから。