運命‐サダメ‐
男性は、近くにあった消火器で消火を始めた。
そんな様子を見ながら、お兄さんのことが気になった。
直前まで、店長と一緒にいたんだ。
もしかしたら、巻き込まれていた可能性だってある。
青ざめているんじゃないかと思った。
だから、視線をずらしてお兄さんを探した。
従業員の輪から少し離れた所に、お兄さんはいた。
倒れ込むようなことにはなっていない。
そんなお兄さんの表情を見ると、青ざめてなどいなかった。