運命‐サダメ‐
彼をじっと見ると、神妙な面持ちで話し始めた。
「この記事の通り、あいつは殺人犯だ。
そして殺されたのは……
オレの婚約者だ」
私は、この発言の方が驚いた。
だけど今、全てのピースは繋がった。
自分がこの世で1番愛する人を殺されて、どれだけの絶望があったのか、私は分かる。
なぜなら、私も同じだから。
でも、そのことが彼に殺人をさせることになってしまった。
イヤ、1歩間違えれば、その位置にいたのは私だったかもしれない。