運命‐サダメ‐
だけど、調べればいずれ分かる。
彼なら、調べるなんて容易いことだろう。
だったら、自分の口から言っても同じじゃないだろうか。
「お姉ちゃんが殺されたあと、傷が癒えないまま、アメリカへ戻ったんです」
そう思ったから、あの時のことを少しずつ話し出した。
「それでも、前よりは日本へ帰って来た。
両親のことが心配だったし、お互い励まし合っていた。
だけど……
お姉ちゃんの事件から1年後、状況は一変したんです。
両親が標的になってしまった……」