運命‐サダメ‐
「そういえば、服着てなかったよな」
思い出したように彼が言う。
確認するように、彼の手が毛布の中に入って来た。
それで、私も気付いた。
朝起きてからずっと、裸だったことに。
毛布に包まっていた私は、その温もりで忘れていた。
「今度こそ、守るから……」
そっと呟いて、私をゆっくり倒す。
彼の瞳が、微かに揺れている気がした。
未だに、自分を責めているんだ。
お姉ちゃんを、愛する人を守れなかったことに。