運命‐サダメ‐
こういう状況になっていても、私は身代わりでしかない。
私は、身代わりでしか傍にいられない。
それが分かっているからこそ、彼を止めることも拒むことも出来ない。
今、私に出来ることは、お姉ちゃんの分まで彼を愛す。
恋人でもないし、彼にとっては偽物の恋愛でしかない。
だけど、私自身が彼を好きになってしまったのだから。
そんなことを思いながら、
彼の熱い吐息に、滑らかな指使いに、私は意識を手放した。