運命‐サダメ‐



おばさんにも行先を告げず、黙って出て行った。


そして、一人暮らしを始めて今に至る。



逃げたところで、すぐに見つかると思っていた。

それでもいいと、思っていた。


でも警察は、私を探さなかった。


イヤ、探したかもしれない。


だけど、私の目の前に現れることはなかった。



理由は、分からない。


それ以来、お世話になっていた刑事さんにも逢っていないから。


おばさんにも、逢っていない。





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