青空ファンファーレ
することもなくて、結局残り少ない夏休みのドリルに手をつける。

1時間も集中してやったら全部終わってしまった。

それなりの達成感に浸りながら、リョウちゃんの事、これまでの事、これからの事、とかを考えていた。

その時、ファンファーレが鳴り響いた。

カズ君の携帯だ。何故だろう、直感がリョウちゃんだと教えてくる。

携帯をもちあげるとやっぱりそうだ。「リョウさん」と表示されている。

少し緊張してしまった。緊張しながら通話ボタンをおし、通話口に耳をあてる。

「モシモシ。カズヤ?」

間違いなく、リョウちゃんの声だ。

僕は黙っている。黙って続きを待っている。

「カズヤ?ゴメン。駄目だった。」

リョウちゃんは泣いていた。

いつからかカズ君が起きてこっちを見ている。

シッポがするりと手の中からすりぬける。
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