社長と刺激的な生活
すると、少し柔らかい表情になった和成の父親は
「あぁ、今ならまだ間に合う。法的な部分は私が請け負う。それから…」
「他には?」
「“倒産寸前”の噂が広まって、取引先がな…」
「でしたら、そちらは自分の方で何とかします」
「出来そうか?」
「はい。今手掛けている仕事が幾つかありますので、その1つを回す事にします」
「そうか……なら、悪いが早々に手を打ちたいから、今夜あたりどうかね?先方には私が話をつけておく」
「はい、大丈夫です。夕方までに業務委託に関する資料と契約書を用意します」
俺はあの女……小倉由里の父親の会社へ、
自ら手掛けている仕事を委託する形で対応する事にした。
「それから……」
俺が沢田への指示書をメモしていると…
再び険しい表情で話し始めた。
「まだ……何か?」
顏の表情からして深刻さが窺える。
和成の父親は、かなり言い難そうな表情を。
部屋の中はシーンと静まり返り、
緊迫した空気が漂っている。