社長と刺激的な生活


その日の夜―――――。


和成の父親と共にとあるホテルの一室で。


沢田に用意させた書類と、


和成の父親が用意した法的な書類を盾に、


小倉由里に、この一件から手を引く事を約束させた。


元は彼女では無く、彼女の父親が娘を盾に脅されたらしい。


その後、父親は病に伏せ、


会社を任された彼女は父親の弱みに付け込まれ


更に騙され…脅されていたようだ。


何とも汚いやり方なんだ…人間のクズめ。


俺と和成の父親の話に泣きながら、


何度も何度も謝罪の言葉を口にした。


「要君。悪いが、私はこの後用があるので先に失礼するよ」


「あっ、はい。ありがとうございました」


「ありがとうございました。それから、これからも宜しくお願い致します」


彼女は深々頭を下げてお礼を。


俺は契約書の控えを書類ケースに入れ、


「それじゃあ、俺もそろそろ失礼するよ」


書類ケースを握り、席を立ち上がると


「あの……」


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