社長と刺激的な生活
「では、お席へご案内致します。こちらへどうぞ…」
いつものようにお決まりの文句を並べ歩きかけると、
「窓際でもいいですか?」
後ろを歩く彼がそう口にした。
私は軽く振り返り…
「はい、ではこちらで如何でしょうか?」
大きな窓に面した席へ着くと
彼は優しく微笑みながら腰を下ろした。
「ご注文は、お「カフェオレ」
「あっ、はい。畏まりました。少々お待ち下さい」
私は深々頭を下げた瞬間――――、
「カナ兄って優しいでしょ?」
突然降ってくる彼の言葉。
「はいっ?」
慌てて顔を上げ、訊き返すと…
「カナ兄のどこが気に入った?」
「へ?」
「カナ兄、経験豊富だからもしかして…ん、が?」
「あ……あの……」
私は何が何だか分からず、唖然としていると
テーブルに肩肘をついて不敵な笑みを漏らした。