社長と刺激的な生活
事務所のドアを閉めた途端、
膝から崩れるようにその場に座り込んだ。
あの人……刺客だわ。
“カナ兄”って“要”のことよね?
そうよ!!昨日だって……。
『お姉さんって、おねだり上手なんだね』
昨日の言葉とさっきの言葉。
彼の言葉が何度もリフレインする。
先日の要の様子も可笑しかったし、
きっと何かが起こっているに違いない。
私は慌ててカバンの中から携帯を取り出した。
要へ知らせなきゃ!!
震える手で要へ電話を掛けようとした瞬間、
―――――コンコンンッ
「………はい」
カチャッ―――――
「失礼します。オーナー、お客様からこれを…」
木村さんが差し出したのは小さく折られた紙。
「私に?」
「はい」
彼女は笑顔で紙を差し出した。