社長と刺激的な生活


沢田は目を瞑り、じっと黙ったまま。


「荷物って何があったんだ?」


「一式です。衣類、靴、鞄、携帯など……全てです」


「ッ!!!!」


衣類って……脱がされたのか?


杏花は大丈夫なんだろうか?


それに、携帯まで置いてあったという事は…。


「沢田」


「はい」


「杏花を連れ去った男と護衛を襲った奴らを今すぐ割り出してくれ」


「そちらは既に手配致しました」


「オフィス街の夕方は人気も多いだろうに…」


「………はい」


「目撃者の1人もいないのか?」


「………男は変装していたようで」


「………」


俺はどうしたらいいんだ?


杏花にもしもの事があったら、俺は……。


俺は沢田から手を離し、


やり場のない感情を壁にぶつけた。


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