社長と刺激的な生活
その後、新しい情報も得られないまま夜を明かした。
翌朝、簡単にシャワーを浴び、
スーツに着替え、下階の仕事フロアーへ。
すると、沢田が既に部屋にいた。
「早いな」
「社長の方こそ」
お互い視線が絡むが無言のまま。
俺は昨日の分の仕事に手をつけた。
とりあえず、やるべき事をしておかないと。
すると、デスクの上にカップを置く沢田。
会釈して去る彼に、
「報告が入ったらすぐに知らせてくれ」
「はい」
向き直った沢田は、深々お辞儀をしてドアを閉めた。
沢田の淹れたエスプレッソを飲んで、ため息を零す。
今頃、杏花はどこで何をしているのだろうか?
窓から覗く曇り空が、
俺の心を映し出しているようだ。