社長と刺激的な生活


「そいつが来なくなったと?」


「はい」


「その方は、この方ですか?」


急に後ろから沢田が腕を伸ばして来た。


スタッフ2人は沢田の差し出した写真に視線を。


すると、お互い顔を見合わせて…


「「はい!!」」


驚いた表情で答えた。


「社長」


「あぁ……やっぱりそうか…」


俺は拳を握りしめ、無意識に奥歯を噛みしめた。


「社長?大丈夫ですか?」


「………あぁ」


「とりあえず、事務所へ参りましょう。何かあるかもしれませんし」


「んー」


足元から崩れるように全身の力が抜けて行く。


そんな俺を両腕で支え、歩かせる沢田。


俺はこの男がいる事に感謝した。


恐らく、1人でいたら……


倒れていたかもしれない。


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