社長と刺激的な生活


「少しお待ち下さい!!」


そう言い残して部屋を出て行った。


1分も経たずして戻った沢田の手には


ケーキ用のロウソクとライターが。


「沢田?」


俺は沢田の顔を覗き込む。


「恐らく、杏花様が社長に残した唯一の手がかりでしょう…」


そう、口にした沢田はロウソクに火をつけた。


「社長すみません。このローソクの台ごとお持ち頂けますか?」


「……?……あぁ」


沢田は俺にローソクを手渡し、


俺の手にしている出納帳を手に取った。


そして……。


ローソクの火に1ページずつ丁寧に当て始め


「ッん?!!!!」


「社長、お分かりになられましたか?」


「………あぁ」


「杏花様がこのような手法で……」


沢田は涙ぐみながら、


その後も1ページずつ丁寧にあぶり出した。


< 190 / 294 >

この作品をシェア

pagetop