社長と刺激的な生活


スタッフと共に2人が姿を現した。


スタッフは水とおしぼりと珈琲をそっとテーブルの上に。


「ご注文がお決「珈琲2つ」


「……畏まりました。失礼致します」


スタッフは会釈してテーブルを後にした。


目の前に座った2人。


杏花は無言で目を閉じている。


久しぶりに見た杏花は何だかやつれていた。


お互い無言のまま、視線が絡む。


すると―――――、


「失礼致します。珈琲をお持ち致しました。ごゆっくりどうぞ…」


スタッフが珈琲をテーブルに置き、去って行く。


再び、訪れた沈黙。


俺はジャケットの内ポケットから


1枚の紙を取り出した。


テーブルに置いた際の乾いた紙音に反応して


杏花はゆっくり瞳を開いた。




そして……


俺は沈黙を破るひと言を…。


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