社長と刺激的な生活


「琉生。お前の望み通り、サインした」


「………カナ兄」


「約束通り、杏花は解放しろ」


「………」


「ん?」


「……あぁ。だけど、俺がこれを役所へ出してから…」


「………」


琉生は離婚届を手にして、俺をまっすぐ見つめた。


その瞳は俺の知っている優しい琉生そのもの。


「1つ訊いていいか?」


「何?」


「何故、こんな事をした」


「………」


「お前は“一条”の事はあまり良く思って無かっただろ?」


「………」


「そのお前が…」


「仕方なかったんだ!!兄貴が後継者の一件から手を引いて、親父が…」


琉生は声を荒げて…


「清二叔父さんが?」


薄らと涙を浮かべながら…


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