社長と刺激的な生活
「いらっしゃいませ」
「こんにちは」
「奥様でしたら、テラスにいらっしゃいます」
「ありがとうございます」
「ご案内致します」
「お願いします」
いつもながらに、何も言わなくても通じてしまう。
沢田さん同様、黒崎さんってスゴイ。
ってか、一条の執事って……。
私は黒崎さんに連れられ、小夜さんの元に。
「奥様、杏花様がお見えに…」
「まぁ!!どうしたの?」
小夜さんが笑顔で駆けて来た。
「突然すみません。ご相談したい事が…」
「あらっ!?嬉しいわ。とりあえず、座って?」
「はい」
小夜さんに促され、椅子に腰かける。
小夜さんは小説を読んでいたみたい。
「ザクロ茶で良いかしら?」
「はい」
今、小夜さんイチ押しのザクロ茶。
甘酸っぱくて、私もお気に入り。