社長と刺激的な生活


暫く小夜さんと話をしていたら、


要の浴衣が運ばれて来た。


………5着。


5着ある浴衣はどれも無地っぽい感じ。


柄はほとんど無く、織りが凝ってる感じ。


う゛っ…やっぱり高級な生地なんだろうなぁ。


手にするのも引けちゃうよ…。


「どれが良いかしら?」


「えっ?」


「要から貰った浴衣は何色?」


「えっと…。白地にグレーから黒にかけてのグラデーションの薔薇が…」


「ん~。じゃあ、この黒が良いわね」


小夜さんが手にしたのは、黒地の変り織りの浴衣。


無地だけど品があり、少し縞っぽい感じが素敵。


「ステキですね?」


「でしょ?あの子に着せたくて、ワザワザ仕立てて貰ったのよ」


「えっ?」


「どれも拘ってるけど、これが1番拘ったわ」


小夜さんの笑顔を見たら、分かる気がする。


他の浴衣も素敵だけど…


やっぱりこれが1番、目を惹くもの。


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