社長と刺激的な生活
その後――――。
16時少し前に要が迎えに来た。
店を閉め、スタッフと別れ、
要の車に乗り込んだ。
「どこか、食べに行くか?」
「へ?」
「昼飯、あまり食べてないんだよな」
「そうなの?」
「1人で食べるのは味気ない」
「要…」
要が私の手を握る。
心地いい彼の温もり。
少しヒンヤリする彼の手を握り返して
「じゃあ、少し早いけどお夕食にしましょうか?」
「ん」
要は馴染みの和食処へと車を走らせた。
店は仕込み中の時間にも係わらず
快くお座敷へと通してくれた。
「今日は珍しいですね。こんな早い時間に…」
柔らかい笑みを向ける女将。
新年の挨拶も兼ねて、他愛ない話を…。
要がいつもと同じように
『お任せ』と女将に注文した。