社長と刺激的な生活


料理が運ばれて来て、食べ始める私達。


すると――――、


「杏花、具合が悪いんじゃないのか?」


「えっ?」


「顔が青いぞ?」


「……そう?」


今日、3回目の作り笑いをしてしまった。


………辛い。……どうしよう。


頭がクラクラして来た。


私は必死に平静を装って、


食べやすそうな物を口に運んだ。


……味が分からない。


変な汗が出て来た。


どうしよう……要に気付かれる。


咄嗟にその場を取り繕う為、


目の前のお茶に手を伸ばした。


「キャッ!!」


「おいっ!!杏花、大丈夫か?!」


私は動揺する手で湯呑を掴むと


震える手ではしっかりと持つ事が出来ず…


テーブルの上にお茶を零してしまった。


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