社長と刺激的な生活


「……うぅっ……ッ…」


急に吐気を催してトイレへ駆け込んだ。


すると―――――、


すぐさま駆けつけた要が、


心配そうに優しく背中を擦ってくれる。


そんな中、私は………。


「……んッふっ……ッフフッ…」


「杏花、どうした?とうとう頭がおかしくなったか?」


「しっ…ッれいなッ…うっ…ォェッ……」


要が驚くのも無理はない。


私は嘔吐しながら満面の笑みなんだから。


苦しいはずなのに、嬉しそうに喜んでいる私。


知らない人が見たら、


完全に頭がイカれた人だと思われる。


けれど……私は……、


こういう何てこと無い普通の妊婦の兆候が


嬉しくて嬉しくて堪らない。


心の底から喜びが込み上げてくる。




漸く治まった私は、トイレを出て


洗面室で歯磨きし、要と共に寝室へ。


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