社長と刺激的な生活


気が付くと、手に力が入っていたようで。


「ん?どうした?」


要が聞いてくる。


“どうした?”は、あなたでしょ?


何て言ったらいいか分からない。


すると、


「杏花、ごめん。帰ろう」


「えっ?」


花火の音で良く聞こえなかった。


だけど、今…“帰ろう”って言わなかった?


私が困惑していると、


手を引っ張られ、立たせられていた。


「えっ?どうしたの?」


「ホント、ごめん。家に帰るぞ」


「え?」


私が聞き返すのも聞かず、


要は私の手を掴んだまま…


駐車場へと歩き出した。


何が何だか分からない。


要の顔があまりに真剣で。


多分、ここにはいられない…


何か理由があるんだね?


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