社長と刺激的な生活
帰り際に関係者に“妻の具合が悪いので…”と言って。
私も要と一緒に頭を下げる。
困惑の顔が不調の顔色に見えるのだろうか?
関係者に“お大事に”と言われ会場を後にした。
私は無言で要の後について行く。
車の脇で沢田さんは花火を見ていた。
「社長!!どうされました!?」
私達に気付いた沢田さんは駆け寄って来た。
「加藤がいた」
「えっ!?それで、早々に?」
「あぁ。車を出してくれ」
「承知しました」
沢田さんは直ぐにドアを開け、エンジンを掛けた。
要は素早く車に乗り込み、
私もそんな要の隣りに乗り込んだ。
花火は始まったばかりだというのに、
私達はもう家路へと。
自宅マンションまでは十数分の距離。
あっという間に到着。
玄関のドアを開けた要は、
「杏花、そこで待ってろ」
「へ?」