社長と刺激的な生活
「社長、お迎えは如何されますか?」
「すぐ済むと思うから、車で待機しててくれ」
「はい、承知致しました」
ミラー越しに沢田と会話していると、
「要?すぐ済むって?大丈夫なの?」
「あぁ。本当は行くのも取りやめにしたいくらいだ」
「えっ!?どうして?」
「ん?………」
俺は奴の事を何から話していいのか迷った。
“奴”とは、加藤ホールディングスの御曹司。
加藤篤(あつし)27歳。
現会長の孫で、昔から俺の宿敵。
顔もまぁまぁイケメンで、頭もそこそこ良い。
だが、性格がとてつもなく最悪で。
俺を勝手にライバル視して、何かに付けて絡んでくる。
俺の立ち上げたプロジェクトを邪魔したり…。
出来ることなら、顔も合わせたくないのに…
大企業のトップともなるとそうも行かず。
嫌でも年に数度、顔を合わせる。
はぁ…、今から奴の顔を拝みに行くかと思うとヘドが出る。