社長と刺激的な生活
しかも、今回は杏花を連れて行かなくてはならない。
はぁ……。奴に気付かれずに帰れればいいんだが。
ホント…マジで……。
杏花だけは会わせたくなかったな…。
「要?言い辛いなら、言わなくていいよ?」
杏花が申し訳なさそうに覗き込んで来た。
いや…そういうワケじゃ無いんだが…。
「あのな?」
「うん」
「今から行く祝賀会は“加藤ホールディングス”っていうライバル会社のなんだ」
「はい」
杏花は真剣に俺の話に耳を傾けている。
「その会社の専務が、俺の宿敵の奴でな?」
「………はい」
小さく頷く杏花。
「ソイツは最強に性格が悪い」
「え?」
「他人の物でも平気な顔で壊すし」
「………」
「人の大事な物を何食わぬ顔で横取りする」
「!?」
杏花は目を見開いて俺を見る。