社長と刺激的な生活
俺は奴が会長から遠くにいるのを確認して、
素早く杏花を連れ、会長の元に。
「杏花、あの窓際の白いスーツの男だ」
「うん、分かった。もう見ないね?」
「あぁ、絶対に目を合わせるなよ?」
「うん」
俺は小声で耳打ちする。
「ご無沙汰しております。この度はおめでとうございます。一条が体調不良の為、代理で失礼致します」
「おぅ、一条の若さん。元気だったかい?」
「はい、お陰様で…」
相変わらず、奴と違って会長は凄く良い人だ。
何故、この人の血を受け継げなかったんだ?
「ん?そちらの美人さんは?」
「はい。お恥ずかしながら、昨年結婚致しまして…妻の杏花です」
「お初にお目にかかります。妻の杏花でございます」
杏花は綺麗にお辞儀をして…
「おぅ!!君が噂の美人妻かね?」
「とんでもありません」
「一条くんから伺ってるよ。ベタ惚れだそうで…」
「お恥ずかしい限りです」
ったく、爺さんは何を吹き込んでるんだよ。