社長と刺激的な生活
「はい。……え?……はい…」
彼女は通話した状態で徐に立ち上がり、
テーブルにお金を置いて店を出て行ってしまった。
えっ?……ちょっと。
……聞けなかったじゃない。
聞くどころか、真面に話をする事さえ…。
「はぁぁぁ……」
「おっ、オーナーッ!!」
私は緊張の糸が切れたみたいに、
カウンターの椅子にへたり込んだ。
今日もまた、仕事が手に付かず…。
自宅へ帰ると、何も考えずソファへ倒れ込んだ。
はぁ……。夕ご飯作らなきゃ。
そう言えば、村岡さん“出張”って言ってたよね?
って事は、今日は帰って来ないかも。
ますます要を疑う自分が情けない。
ふとダイニングテーブルへ視線を向けると、
夕食が………1人分。
やっぱり外泊なんだわ。
今日はもう寝て、考えるのは明日にしよう。
シーンと静まり返る部屋の中、
冷たいシーツに包まれた。