A quirk of fate
「航生は想い人がいるよ。
俺の口からはこれ以上
詳しくは言えないけど・・・
もしアイツが告ったとしても
実る確率は0に近いかもしれない。
でも俺は好きなら告るべきじゃないか
って思うけどな・・・。
航生は優しいやつだから告って
断られたとしても気まずくなったり
することはないと思うし・・・。
だから咲に告白ってみたら?
っていっておいてやれよ。
俺が言えるのはここまでだな」
そういって大輔は口を閉ざした。
「うん。わかった。
大輔ありがと」
「ん」
「じゃ、かえろっか・・・。
咲が暴走しちゃう前に」
そういって立ち上がった瞬間
私は大輔に腕を引っ張られた。
「加奈・・・
キス・・・してい?」
「えっ?」
一瞬のうちに大輔の腕の中。
鼻が触れちゃうくらい顔が近くて・・・。
「キス・・・してい?」
「・・・そういうのは
不意打ちでするもんでしょ?」
私は恥ずかしくて
そう言うしかなかった。
「んじゃ今のはなしで」
そういって
大輔は私にキスをした。