A quirk of fate







「俺が航生に初めて会ったとき
 俺は何もかもが終わってた。












 ・・・好きな人を失ったんだ。



 俺が一生愛するはずの人。










 自暴自棄になってた時、俺に手を
 差し伸べてくれたのが航生だった。

 俺が航生に心を開いて
 俺が愛した人のことを話した日
 アイツは優香さんの話をしたんだ。
 




『俺にもそんな人がいたんだ。
 でもある日突然いなくなって
 俺の前から姿を消した。
 生きているのかさえもわからない。
 お前と一緒だよっ』てな。




 俺優香さんと航生の話を聞いたとき
 苦しんでるのは俺だけじゃない。
 ってそう思ったんだ。
 


『みんな誰もが大きな苦しみを
 背負って生きてる。
 つらいのは大輔だけじゃねーよ』

 
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