A quirk of fate
[航生side]
優香から過去の話を聞いた。
父親に犯されたこと。
それが原因で両親が離婚したこと。
今は一人暮らしをしていて
バイトして体を売って生活していること。
「航生・・・苦しい」
「ごめん」
こんな話を聞いているからか
俺は無意識に彼女の体を強く抱きしめていた
「泣けよ」
「えっ?」
「そんなに強がってると
いつかぶっ倒れるぞ?」
「いいよ。
むしろ私なんか死んだほうがいいの。
私が死んだって誰も悲しまないでしょ?」
「そんなこと言うなよ。
優香が死んで悲しむ奴はいる」
「そんな人いないよ。
私はいつも一人だった。
今も、これからも」
「いるよ。
少なくとも俺がいる。
優香は一人なんかじゃない。
俺がいるじゃねぇーか」