A quirk of fate



そう言って私が身を
投げ出そうとしたとき
彼は私を抱きしめた。




「やめろ・・・」



「離して!離してよ!」

そう言ってもがく私を
彼は離さない・・・。




「もう大切な人を
 失うことだけはしたくない・・・。
 頼むよ・・・。
 頼むから、死なないでくれよ」





そう言って彼は泣いた・・・。


「優香さんのとこ行くんでしょ?
 だったら離して!!」


「行かないよ! 
 行かないから!」


「航生・・・
 ホントに?」


「あぁ・・・。
 だから死ぬなんて
 いわないでくれよ!」



「じゃあ
 一生私のそばにいてくれる?」











「あぁ・・・」

< 151 / 187 >

この作品をシェア

pagetop