A quirk of fate
あれから五年たった今。
今でも優香を忘れられずにいる。
あの後、千葉は逮捕された。
そして優香の葬式が
ひっそりと行われた。
優香の母親も葬式に
出席していた。
彼女から優香が幼かった頃
どんなだったのか。何が好きで
よく何をしていたのかなど
たくさんの話を聞いた。
そして彼女は最後にこう言った。
『優香には本当に悪いことをしました。
優香をあの父親から自由にさせて
あげれるのは私しかいなかったのに。
優香を助けられなかった・・・。
今更後悔しても優香は戻ってこない』と。
俺はこの時思ったんだ。
優香はきっと母親に似た
とっても優しい心の持ち主
だったんだって・・・。
「お母さん。優香はとても心のやさしい
持ち主だったんですよ。あなたみたいに。
あなたはずっと。いつまでも
優香の母親なんです。離れていても。
優香はあなたが大好きだったんですよ、きっと」
それを聞いて彼女は泣き崩れた。
「優香・・・ごめんね」
そう何度も謝っていた。
でも最後に
『愛してるわ』
そう言ってた・・・。