A quirk of fate
優香らしい手紙だった。
俺はいつのまにか涙を流していた。
「航生君、ありがとう。
私からもお礼を言うわ。
あなたのおかげで優香は
こんなにいい子になった。
本当にありがとう。」
そう言ってお母さんは俺に頭を下げた。
「お母さん。
あたまを上げてください。
俺は何もしていませんよ。
これが本当の優香なんです。
逆に俺が勇気をもらってたんだから。」
「優香は幸せものね。
こんなに愛されて・・・。
優香がうらやましいわ」
するとお母さんは
窓から空を見上げた。
まるで優香がそこにいるかのように
彼女は空に微笑みかけた。