A quirk of fate
[航生side]
俺たちは観覧車に乗ったあと
そのまま優香の家に向かった。
「どうぞ~」
「お邪魔します」
優香の部屋は殺風景で
生活に必要なもの以外何もない。
逆に俺はこんな部屋のほうが
好きだったりするんだけどな。
「今おちゃ入れるから
ちょっと待ってね」
そういって彼女は台所に立つ。
そんな彼女の姿を見て
思わず優香が俺の奥さんになったら
どうなるか想像してしまった。
「はい。お茶」
「ありがとう」
「何もないでしょ?
でもごちゃごちゃ物があふれてるより
きっちり整理されてて無駄なものがない
部屋のほうが好きなの」
「俺も。
実はそっち派なんだよ」
そういって二人は笑いあった。
優香が入れてくれたお茶は
ものすごくおいしかった。