A quirk of fate
[航生side]
「早く来すぎたな・・・。」
今は七時半。
なんだかじっとしていられなくて
家を早めに出てきた。
教室で一人時間を持て余している。
「だれかこねぇーかな・・・」
そうつぶやいた時。
・・・・彼女がきた。
スラッとした高い背に、整った顔。
そして・・・あの悲しい眼。
どこか遠くを見ているような
そんな眼をしている。
俺は思い切って
彼女に声をかけてみた。
「島田さん?だよね?おはよ」
「おはよ」
「俺のこと誰だかわかる?」
「ごめん・・・わかんない」
「俺、黒崎航生って言うんだ。
よろしくな」
「うん。よろしく」
「優香でいい?」
「好きにしてくれていいよ」
「そっか。わかった。
俺のことは航生でいいから」
「うん・・・。」
そういって彼女は机に突っ伏してしまった。